XLOOKUP関数とは?VLOOKUPとの違いと使い分けのポイント
しかし近年、Microsoftが提供する XLOOKUP関数 が登場し、より柔軟で強力な新しい検索関数として注目を集めています。
XLOOKUPは、VLOOKUPやINDEX/MATCHの限界を補う形で設計されており、より柔軟な検索が求められる場面では、有力な選択肢となっています。
この記事では、XLOOKUP関数の基本とVLOOKUPとの違い、そしてこれからの関数選びについてわかりやすく解説します。
XLOOKUP関数とは?
XLOOKUP関数は、より柔軟で使いやすい新世代の検索関数です。
従来のVLOOKUPやINDEX/MATCH関数の弱点を補い、検索の左右方向、エラー処理、完全一致検索などを1つの関数で簡潔に実現します。
XLOOKUP関数の構文と基本的な使い方
基本構文は以下の通りです:
=XLOOKUP(検索キー, 検索範囲, 戻り値範囲, [見つからないときの値], [一致モード], [検索モード])
最低限、最初の3つの引数だけで動作します。
例えば、「商品名から価格を取得する」といった処理は以下のように書けます:
=XLOOKUP("みかん", A2:A5, B2:B5)
この式は、A列で「みかん」を探し、B列の同じ行から価格を返します。
VLOOKUPとの違いを徹底比較
機能 | XLOOKUP | VLOOKUP |
---|---|---|
左右どちらも検索可 | ◯ | ×(左方向不可) |
列番号の指定 | 不要(範囲で指定) | 必要 |
完全一致がデフォルト | ◯ | ×(FALSEの指定が必要) |
見つからないときの代替値 | ◯(第4引数で指定) | ×(IFERRORで補う) |
構造変更への強さ | 強い | 弱い(列番号がずれる) |
XLOOKUPの実用例
1. 基本的な検索
=XLOOKUP("バナナ", A2:A6, B2:B6)
A列で「バナナ」を探し、B列から値を返します。
2. 見つからないときに「該当なし」と表示
=XLOOKUP("ぶどう", A2:A6, B2:B6, "該当なし")
3. 数値での検索+完全一致
=XLOOKUP(101, C2:C6, D2:D6)
4. 降順での検索(検索モード)
=XLOOKUP("みかん", A2:A6, B2:B6, "なし", 0, -1)
第6引数に「-1」を指定すると降順検索になります。
XLOOKUPの弱点と注意点
XLOOKUPは非常に高機能ですが、以下の点に注意が必要です:
- 古いExcelでは使えない: 2016以前では非対応
- 動作がやや重い: 高機能ゆえ、大量データではパフォーマンスが落ちることも
とはいえ、今後は対応環境が広がる可能性が高く、新しい標準関数として定着しつつあります。
VLOOKUPとXLOOKUPの違いを理解して正しく使い分けよう
XLOOKUPは、VLOOKUPやINDEX/MATCHの弱点を克服した次世代の検索関数です。
特に、柔軟性・可読性・エラー処理の簡潔さに優れており、関数を組み合わせる手間を大幅に減らせます。
これからスプレッドシートやExcelを学ぶなら、XLOOKUPも使える環境であれば積極的に覚えるべき関数です。
将来的には、VLOOKUPの代替として主流になることも十分考えられます。
関連する関数
VLOOKUP関数:表を縦に検索して値を取得する関数
INDEX関数:セルの位置から値を取得
MATCH関数:検索値が範囲の何番目かを取得